研究課題/領域番号 |
15H05524
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
安富 啓太 静岡大学, 電子工学研究所, 助教 (50621661)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | Time-of-Flight / 距離撮像素子 / 3次元計測 |
研究実績の概要 |
本研究では、これまで距離分解能が乏しいとされていたTime-of-Flight距離撮像素子を、新たなTOF距離計測方式と高速な電荷変調素子により、マイクロメータ分解能まで向上させることを目的としている。 Time-of-Flight距離イメージセンサの距離分解能は、理想的にはフォトンの到来ゆらぎ(ショットノイズ)によって決定される。しかしながら、現在の取り組んでいる撮像素子では距離分解能を律速している要因は、ショットノイズではなく、撮像素子内および外部光源から重畳するジッタであることがこれまでの解析からわかってきた。これは要求される時間分解能がピコ秒を下回るものとなり、Time-of-Flight距離撮像素子の時間分解能として未踏の領域に入っているためである。 この課題を解決するために、本年度は距離分解能を向上させるための光学系を含めたシステム開発を行った。開発を進めている距離撮像素子では多点計測が可能であるという特長活かして、光学系を工夫することにより、これらジッタの多くの成分を除去できる手法を考案した。この手法の原理検証を行うために、光学素子の選定、光学ブレットボード上にテスト系を実装した。この評価系を用いた実験により、1フレーム計測においても距離分解能を大きく向上させることに成功し、前年度の100枚平均に匹敵する結果が得られている。本手法は、1フレームでの距離分解能の向上だけでなく、平均化によって得られる効果の向上も期待できるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
距離分解能を向上させるための手法を考案し、その原理検証までを行えているため。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績に記載した通り、考案した新手法により距離分解能の向上については目処がたっている。今後は考案した手法で小型化を実現する実装方法の検討と、3次元計測の時に課題となりうる固定的なパターン雑音低減を図る。
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