研究課題
河川から湖沼へと供給されるリンについて,湖沼における栄養状態に対して極めて重要であると考えられる.通常では河川は湖沼に対してリンの供給源であり,特に無機態リンが最も重要であると考えられている.一方で,湖沼内部では有機態リンが極めて重要な役割を果たしていると考えられている.そこで本研究では,河川―湖沼に至る,それぞれの場における懸濁粒子・底泥に着目し,各々に含まれるリンの形態を分析した.河川から湖沼まで,PIP比率は減少している一方で,POPは増加していた. 河川ではPIPが一貫して流入河川のPPの60%以上を占める一方で,POP濃度は霞ヶ浦の湖で高くなっており,河川と湖沼において,リンの組成が全く異なっていることが明らかになった.事実,NMRで測定を行った結果,河川ではオルトリン酸のピークが最も大きい一方で,湖沼では,有機態リン,特に核酸に含まれるリン(ヌクレオチド)が,検出されたリン化合物の中では最も多い結果となっていた.今年度、新たに走査型電子顕微鏡(SEM-EDS)を用いて分析を行った結果、通常の鉱物質に吸着した無機態リンの加えて、微生物に吸着したリンが存在していることが明らかになった。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Water Resources Research
巻: 53 ページ: 7175-7189
10.1002 /2017WR020486
地球化学
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https://doi.org/10.14934/chikyukagaku.51.159
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