本研究は霞ヶ浦流域における懸濁粒子及び底泥に含まれるリンの形態について定量化を行い、それぞれにおける有機態リンの循環を明らかにしたものである。懸濁物質の動態について霞ヶ浦で観測を行ったところ、懸濁態リンのほとんどは有機態リンであり、微生物のバイオマスと、リンの変動が一致していることが明らかになった。底泥におけるリンの変動を観測・解析したところ、底泥固相に含まれる有機態リンが冬~春にかけてソースとなっていることが明らかになった。河川~湖沼に渡る懸濁粒子中のリンの形態を観測したところ、河川では無機態リンが60~80%を占めていた一方で、湖沼では有機態リンが主要なリンの形態であった。
|