研究課題
現在、宇宙大量物資輸送用として、輸送コスト削減のために燃費が良い電気推進機の大出力化が進められている。それに伴い、その放電のための電子源であるホローカソードの大電流化も必要であり、研究代表者らは、それを開発し、作動試験を行い、大電流取得の実証をおこなった。その際、着火から時間が経過すると共に、振動作動から安定作動に遷移する現象が見出された。作動が不安定であると、電子源自身の寿命の他、電源や他の宇宙搭載機器に悪影響を及ぼす可能性がある。本研究の目的は、その作動安定化のメカニズムを明らかにし、着火後即安定作動する設計指針を見出すことである。具体的には、(1)どのような作動条件の場合、時間変化によって遷移するのか明らかにすること、(2)そこで得られた条件下に置いて推進機内部のプラズマ諸量の分布の観測を行うこと、(3)その結果をもとに、数値解析コードを構築し、振動が収まるメカニズムを解明すること、(4)得られた結果を元に、即時安定作動するための指針を見出し、それを実証することの4点であった。平成29年度は、前年度までに実行した(1)~(3)までの結果から、安定作動のためには引き出す電子電流に対して十分な電離が行われて電子が供給できる仕組みである必要があることが明らかになったため、これを即時行われるように熱電子供給剤の温度がプラズマからの熱によって加熱された際に、その熱が逃げにくくし、即時安定作動が可能となる構造とした上で実証試験を行った。この結果、試行したどの作動条件においても、着火後10秒程度で安定かつ定常作動を行うことが実証された。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Transactions of the Japan Society for Aeronautical and Space Science, Aerospace Technology Japan
巻: 16 ページ: to be published
プラズマ応用科学
巻: 25 ページ: pp.3-8