研究課題
本研究の目的は,水中における小型移動体通信を実現することである.水中の環境は陸上よりも遙かに過酷なため,小型移動体通信を実現するためには,マルチパス,ドップラー広がり,搭載電力の制限など,多岐に亘る課題を同時に解決する必要がある.そこで,本研究は,これまで申請者が開発・発展させてきた技術を元に,水中の環境に適した新しい通信エンジンを確立すると共に,運用環境の変化に応じて自律的に通信エンジンのパラメータを調整する技術を確立することを目的としている.平成29年度は,平成27年度に確立した水中移動体用小型通信エンジンの性能評価を,平成28年度に引き続き,港湾実験により評価した.リモコンボートを用いて,本研究で確立した通信エンジン,および,電波無線通信方式をベースとする既存の通信エンジンを用いた移動体通信実験を行った.まず,港湾の環境を測定した結果,通信路の遅延広がりは50 ms, ドップラー広がりは最大4.5 Hzであり,二つのレイリーフェージングモデルで表すことができることを明らかにした.また,本研究で確立した通信エンジンは,既存の通信エンジンと比較して,優れた通信品質を達成することを明らかにした.
2: おおむね順調に進展している
当初の計画通り,港湾実験を実施した結果,水中における小型移動体通信が実現できることを確認している.
今後は,港湾実験,および,実海域実験を繰り返し,実験結果を基に通信エンジンのチューニングを繰り返すことで,水中音響モデムの完成度をさらに高めていく必要がある.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Physical Communciation
巻: 27 ページ: 24-35
https://doi.org/10.1016/j.phycom.2018.01.001
Proceedings of the 2017 MTS/IEEE OCEANS, Aberdeen, United Kingdom
巻: - ページ: 1-9
https://doi.org/10.1109/OCEANSE.2017.8084710