研究課題
本研究の目的は,水中における小型移動体通信を実現することである.水中の環境は陸上よりも遙かに過酷なため,小型移動体通信を実現するためには,マルチパス,ドップラー広がり,搭載電力の制限など,多岐に亘る課題を同時に解決する必要がある.そこで,本研究は,これまで申請者が開発・発展させてきた技術を元に,水中の環境に適した新しい通信エンジンを確立すると共に,運用環境の変化に応じて自律的に通信エンジンのパラメータを調整する技術を確立することを目的としている.平成30年度は,前年度までに確立した水中移動体用小型通信エンジンの性能評価を,実海域実験により評価した.大型バージ,および,計測船を用いて,本研究で確立した通信エンジン,および,電波無線通信方式をベースとする既存の通信エンジンを用いた移動体通信実験を行った.まず,実海域の環境を測定した結果,通信路の遅延広がりは5-25 ms, ドップラー広がりは1-8 Hzであった.次に,計測船に送信機,大型バージに受信機を搭載し,両者の距離を100-500 mまで変化させながら,通信実験を行った.その結果,本研究で確立した通信エンジンは,移動体環境において,優れた通信品質を達成(パケットエラー率3.2%)することを明らかにし,研究を完遂した.
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
Japanese Journal of Applied Physics
巻: 58 ページ: 印刷中
Proceedings of the 2018 MTS/IEEE OCEANS, Kobe, Japan
巻: - ページ: 1-4
10.1109/OCEANSKOBE.2018.8559404
第39回超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム講演論文集
巻: 39 ページ: 1-2