本研究では、ストレス応答時の多数の脳活動パターンと末梢活動がどのように関連するか解明することを目的とした。ラットに社会的敗北ストレスを負荷し、心電図の変動を基に、動物群をストレス感受性群と非感受性群に分けて、大脳新皮質の複数領域および海馬から記録された脳波を解析した。解析の結果、ストレス感受性群ではストレス応答後に、ガンマ帯を除くほぼすべての周波数帯において、脳波パワーの変動が見られ、セロトニンの濃度の変動が大きく、こうした濃度変化が脳波パワーの変動につながる可能性を示唆した。ストレス応答による生体変化を病態生理学的観点から解明した新たな知見である。
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