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2015 年度 実績報告書

嗅球における匂い情報の時間コーディングを支える神経基盤

研究課題

研究課題/領域番号 15H05572
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

今井 猛  国立研究開発法人理化学研究所, 多細胞システム形成研究センター, チームリーダー (70509851)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード嗅球 / 時間コーディング / オシレーション
研究実績の概要

感覚情報は中枢神経系においてしばしば時間的な神経活動パターンとして表現されるが、その意義やメカニズムについては十分に理解されていない。そこで、本研究ではマウス嗅球における匂い情報処理の時間コーディングに着目して、2光子カルシウムイメージング法を用いて、その意義とメカニズム解明を試みた。我々は嗅球におけるシータ波に着目し、これが呼吸サイクルによって末梢刺激によって生み出されていることを明らかにした。このシータ波の振幅と位相がそれぞれ匂い情報処理に果たす役割について検討を行い、位相コードが匂い認識における濃度非依存性やサンプリングモード非依存性の鍵であることを明らかにした。具体的には、位相情報は幅広い濃度条件で安定であり、また繰り返しの匂い刺激においても一定であるという傾向が認められた。一方、振幅情報は匂いの濃度やサンプリング条件によって大きく変化すること、不安定であることが判明した。次に申請者はシータ波が匂い情報表現にどのように必要であるかについて検討を行った。具体的には、匂い刺激の時間情報は保持しつつ、呼吸によるairflowの刺激のみをなくす実験を行った。その結果、匂い応答がより小さくなっていること、匂い情報の時間的表現がより不安定になっていること、などが明らかになった。これらのことから、シータ波は匂い情報処理においてはノイズではなく、積極的に匂い情報処理の精度向上に寄与していることが明らかとなった。どのような嗅球内回路がこのような時間コーディングを担うのかについては、現在シミュレーションと嗅球内回路の超解像3Dイメージングを併用して進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度に計画していた実験については全て予定通り完了できた。

今後の研究の推進方策

初年度分の成果について論文発表するとともに、次年度(最終年度)に予定していた実験を進める。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Super-Resolution Mapping of Neuronal Circuitry With an Index-Optimized Clearing Agent.2016

    • 著者名/発表者名
      Ke MT, Nakai Y, Fujimoto S, Takayama R, Yoshida S, Kitajima TS, Sato M, Imai T.
    • 雑誌名

      Cell Reports

      巻: 14 ページ: 2718-2732

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2016.02.057

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Temporal odor coding by neuronal oscillations2016

    • 著者名/発表者名
      今井 猛
    • 学会等名
      金沢大学新学術創成研究機構セミナー
    • 発表場所
      石川県金沢市、金沢大学
    • 年月日
      2016-02-16
    • 招待講演
  • [学会発表] Roles of oscillations and temporal odor coding in the mouse olfactory bulb2015

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Imai
    • 学会等名
      USTC-HFNL BioImaging Workshop
    • 発表場所
      USTC, Hefei, China
    • 年月日
      2015-12-07
    • 招待講演
  • [学会発表] Nasal airflow sensation aids robust temporal coding of an odor identity in the olfactory bulb2015

    • 著者名/発表者名
      Ryo Iwata, Takeshi Imai.
    • 学会等名
      第7回光操作研究会 国際シンポジウム 「神経回路と神経修飾」
    • 発表場所
      東京都文京区(東京医科歯科大学 鈴木章夫記念講堂)
    • 年月日
      2015-12-04 – 2015-12-05
  • [学会発表] Nasal airflow drives glomerulus-specific oscillations for reliable phase odor coding2015

    • 著者名/発表者名
      Ryo Iwata, Takeshi Imai.
    • 学会等名
      第38回日本神経科学大会 Neuroscience2015
    • 発表場所
      神戸市 (神戸国際会議場、神戸国際展示場)
    • 年月日
      2015-07-28
  • [学会発表] Nasal airflow sensation aids robust temporal coding of an odor identity in the olfactory bulb2015

    • 著者名/発表者名
      Ryo Iwata, Takeshi Imai.
    • 学会等名
      BBW 2015 From Neural Circuitry to Neurotechnology
    • 発表場所
      東京都千代田区(飯野ビルディング)
    • 年月日
      2015-05-11 – 2015-05-12
    • 国際学会
  • [備考] Laboratory for Sensory Circuit Formation

    • URL

      http://imai.uijin.com/index.html

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公開日: 2017-01-06  

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