研究課題
初年度は、予定していた新たに発見した精子上に存在するGPIアンカータンパク質XのKOマウスの表現型解析(精巣重量、精巣切片、精子形態、精子運動性、体外受精など)を概ね遂行することができた。さらに、このGPIアンカータンパク質Xは、精子受精能に必須の膜タンパク質として知られているADAM3と相互作用することも分かった。今後は、申請者が以前報告したADAM3関連因子で、かつGPIアンカータンパク質であるTEX101やLY6Kとの関連を調べていく。それらと並行して、ADAM3, TEX101, LY6KそしてACEのKOマウスにおけるGPIアンカータンパク質Xの局在と、XのKOマウスにおけるこれらの因子の存在についても調べたい。また、このGPIアンカータンパク質Xと相互作用する新たな分子を同定するために、CRISPR/Casシステムによりタグをノックイン(KI)したマウスを作製した。このKIマウス精子を用いて免疫染色を行ったところ、抗X抗体で調べた局在とほぼ同様のパターンを示したことから、狙い通りのKIマウスが作製できたことを確認した。今後は、このKIマウス精子タンパク質を用いて、免疫沈降からのLC/MS/MS解析を行い、新規分子の同定を試みる。このKIマウスを使えば、GPIアンカータンパク質Xの精巣上体での修飾メカニズムにも迫ることができるかもしれない。
2: おおむね順調に進展している
予定していた研究計画を概ね遂行し、本課題に関連する学術論文を発表することができたため。
初年度に計画していた新たに発見した精子上に存在するGPIアンカータンパク質のKOマウスを用いた表現型解析は、概ね遂行することができた。今年度は、CRISPR/Casシステムにより作製したノックイン(KI)マウスを用いて、相互作用する因子の同定を試みる。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (2件)
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