研究課題
計画最終の今年度は、本課題の主プロジェクトの精子GPIアンカータンパク質LYPD4の機能を解析し、共通の表現型を持つ遺伝子(タンパク質)との関連を調べ、CRISPR/Cas9システムを用いたノックイン(KI)マウスを作製し検討を行った。その結果、前年度に論文発表(JCS. 2018)した精子膜タンパク質CMTM2A/BのKOマウスを用いてLYPD4との関連を調べたところ、LYPD4の発現に特に変化が見られなかったことから、LYPD4が既知の必須因子群とは別経路を介して精子受精能を制御している可能性を示唆する結果が得られた。また、これまで最も重要視されてきた精子膜タンパク質ADAM3(Exp Anim. 2018)との関連についても解析を行ったが、こちらもLypd4-KOマウスにおけるADAM3発現、及びAdam3-KOマウスにおけるLYPD4発現にも大きな影響が見られなかった。以上のことから、LYPD4が未知の経路を介して精子受精能を制御する新規タンパク質であることが明らかになった。これらの分子メカニズムを解明するために、LYPD4タンパク質のN末端側にFLAGタグを挿入したKIマウスの作製を試みた。その結果、作製には成功したが、残念ながらFLAG抗体を用いたWB及びIP-WB解析では目的タンパク質を検出することができなかった。現在、これまでの解析結果をまとめてLYPD4に関する論文として鋭意作成しており、準備ができ次第投稿する予定である。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (2件)
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