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2017 年度 実績報告書

肺癌に関わる非コードゲノム制御領域のゲノム・エピゲノム統合解析

研究課題

研究課題/領域番号 15H05576
研究機関筑波大学

研究代表者

村谷 匡史  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50730199)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードプロモーター / エンハンサー / 肺癌 / 微量検体 / エピゲノム解析 / 体細胞変異
研究実績の概要

これまで行われてきた大規模癌ゲノム解析には、エキソームシークエンシングを用いた遺伝子コード領域の網羅的な変異解析、および全ゲノムシークエンシングがあった。前者は非コード制御領域の変異については解析していないこと、後者はシークエンシングと解析コストが大きくデータが得られても機能的な変異の同定が難しいことが短所であった。本研究では、ヒストン修飾に対する抗体を用いたChIPseq解析を肺癌の臨床組織検体について行うことで、ゲノム制御領域の機能的な体細胞変異と一塩基多型を解析することを目標としている。これまでの研究で、癌部と非癌部をレーザーマイクロダイセクションで切り出した検体を用いてH3K4me3、H3K27ac、H3K27me3修飾のChIPseqおよびRNAseq解析を行った。今年度はライブラリ作製法を更新することでPCR duplicateの少ないリードを得られた6症例分を新たにシークエンシング解析することで、プロモーターおよびエンハンサー領域の体細胞変異候補を選定した。同時に、これまでに薄切標本を作製した200症例程度をリストアップし、一部を用いてアンプリコンシークエンシングが可能なことを確認した。論文化に向けて、アレル特異的エピゲノム制御と癌で変化するプロモーターおよびエンハンサーのインフォマティクス解析も進めており、肺癌のゲノム・エピゲノム統合解析として論文投稿を目指している。また、これまでに開発できた臨床検体のChIPseq、RNAseqを用いたゲノム・エピゲノム解析の技術を他の研究にも応用できるよう、コストの低減も含め、ワークフローを整理した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の目標であった多数症例を用いた非コード領域の体細胞変異及びSNP解析は、比較的少数症例での探索と多数症例でのValidation、という形で実現しつつあり、それを可能にする解析フローもウェット、ドライともに十分に整備できたため。

今後の研究の推進方策

多数検体のアンプリコンシークエンシングによる体細胞変異およびSNP解析を完了する。また、ロングリードChIPseqデータを用いた体細胞変異とSNPを用いたアレル特異的ゲノム制御の解析はパラメーターとフィルタリングの条件検討の余地が大きいため、引き続き解析を進め、論文投稿する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The transcription factor MAFK induces EMT and malignant progression of triple-negative breast cancer cells through its target GPNMB.2017

    • 著者名/発表者名
      OKita, Yukari;Kimura, Minori;Xie, Rudy;Chen, Chen;Shen, Larina Tzu-Wei;Kojima, Yurika;Suzuki, Hiroyuki;Muratani, Masafumi;Saitoh, Masao;Semba, Kentaro;Heldin, Carl-Henrik;Kato, Mitsuyasu
    • 雑誌名

      Science Signaling

      巻: 10(474) ページ: 11

    • DOI

      10.1126/scisignal.aak9397

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Activation of RHOA-VAV1 signaling in angioimmunoblastic T-cell lymphoma2017

    • 著者名/発表者名
      Fujisawa, M;Sakata-Yanagimoto, M;Nishizawa, S;Komori, D;Gershon, P;Kiryu, M;Tanzima, S;Fukumoto, K;Enami, T;Muratani, M;Yoshida, K;Ogawa, S;Matsue, K;Nakamura, N;Takeuchi, K;Izutsu, K;Fujimoto, K;Teshima, T;Miyoshi, H;Gaulard, P;Ohshima, K;Chiba, S
    • 雑誌名

      Leukemia

      巻: 32 ページ: 694-702

    • DOI

      10.1038/leu.2017.273

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Integrative genome and epigenome analysis of gene regulatory regions in human lung cancer cells isolated by laser-micro-dissection2018

    • 著者名/発表者名
      Masafumi Muratani, Shingo Sakashita, Naomi Kaneko, Masayuki Noguchi
    • 学会等名
      Human Genome Meeting 2018
    • 国際学会
  • [備考] LMDを用いたゲノム・エピゲノム統合解析

    • URL

      http://www.md.tsukuba.ac.jp/tmrc/foundation_core/gb/genome-biology.html

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公開日: 2021-01-27  

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