ヒトの疾患原因となる遺伝子変異の約半数は一塩基変異である。近年のCRISPR-Cas9を始めとするゲノム編集技術を用いることで、NHEJ(非相同末端結合)を介した欠失は比較的簡便に誘導可能であるが、HDR(相同組換え)を利用したノックインの効率は1%以下と極めて効率が悪かった。そこで我々は、細胞の中にあらかじめCRISPR-Cas9とガイドRNAをpiggyBacトランスポゾンベクターで組み込んでおき、二種類の薬剤でCas9の活性を誘導可能なCRONUSシステムを開発した。これにより、これまでの効率(<1%)を大幅に上回る、20%から30%もの効率で狙った一塩基改変が誘導可能となった。
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