トランスポゾンをゲノムにおける「非自己」として選択的に抑制する仕組みが生物には必須である。piRNAと呼ばれる小分子RNAが核内でトランスポゾン領域のヘテロクロマチン化に関与し、発現抑制を担っていることが示唆されているが、その責任因子および分子機構は未解明である。本研究では(1) piRNAが3種類のPIWIタンパク質に振り分けられる仕組み、(2)Piwiタンパク質とpiRNAによるヘテロクロマチン誘導メカニズム、(3) Piwi-piRNA複合体による標的トランスポゾン認識機構、の3点を明らかにすることで「ゲノムにおける非自己」制御の分子基盤の一端を解明した。
|