アシルセラミドは皮膚バリア形成に必須の脂質であるが,その合成経路は不明であった。アシルセラミド合成不全は皮膚疾患である魚鱗癬を引き起こし,種々の魚鱗癬原因遺伝子が同定されているが,その機能やおよび遺伝子変異による魚鱗癬発症メカニズムには不明な点が多い。本研究では,アシルセラミド合成経路を明らかにし,CYP4F22,ACSVL4,PNPLA1の3種のいずれも機能未知の酵素がアシルセラミド合成経路に関与することを見出した。さらに魚鱗癬原因遺伝子NIPAL4変異による魚鱗癬はMg2+取り込み異常に起因するアシルセラミド合成関連酵素などの遺伝子発現異常により引き起こされることを明らかにした。
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