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2017 年度 実績報告書

多量体型イオンチャネルのゲーティング原理の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15H05594
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

森 貴治  国立研究開発法人理化学研究所, 杉田理論分子科学研究室, 研究員 (90402445)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードイオンチャネル / 分子動力学計算
研究実績の概要

本年度は P2X4 レセプターを対象にクライオ電子顕微鏡像フレキシブルフィッティング法によるイオンチャネルの開閉シミュレーションを行った。P2X4 レセプターとは、シナップス伝達に重要な役割を果たしている膜タンパク質で、水溶性ドメインに ATP が結合することによって膜貫通ドメインが開閉し、ナトリウムやカリウム、カルシウムイオンなどを透過させる3量体型のイオンチャネルである。チャネルが開閉する際、膜貫通ヘリックスは傾きながら外側に 3 オングストローム程度シフトすることが分かっている。本研究では、閉じた構造から出発し、開いた状態のクライオ電子顕微鏡像をターゲットとして、水と脂質分子を露に含んだ全原子モデルによるクライオ電顕フィッティングシミュレーションを行った。その結果、X 線結晶構造に見られるようにヘリックスは外側にシフトし、チャネルがもっとも狭い部分の半径は 0.3オングストロームから 3.2 オングストロームまで拡大し、膜貫通領域内において水分子がチャネルを形成する様子が見られた。各サブユニットの膜貫通ヘリックスはほぼ同時に開いていた。また、チャネルが形成される直前と直後は、膜貫通領域には真空のような状態はなく、水分子は開くと同時に瞬間的に膜の内側と外側を接続することが分かった。また、得られた構造をX線結晶構造と比較すると、RMSD はわずか 1.1 オングストロームであり、X線結晶構造は水分子を透過させる開状態であることも実証した。

現在までの達成度 (段落)

29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

29年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (7件)

  • [学会発表] 拡張アンサンブルシミュレーションによる膜輸送体の動作原理の解明2017

    • 著者名/発表者名
      森貴治
    • 学会等名
      第4回HPCI成果報告会
  • [学会発表] プロトン透過が関与する膜タンパク質の動作原理の解明2017

    • 著者名/発表者名
      森貴治
    • 学会等名
      第4回HPCI成果報告会
  • [学会発表] クライオ電子顕微鏡像フィッティングシミュレーションの新規並列計算法の開発2017

    • 著者名/発表者名
      森貴治、Marta Kulik、宮下治、Florence Tama、杉田有治
    • 学会等名
      第31回分子シミュレーション討論会
  • [学会発表] Efficient parallel computation for flexible fitting of cryo-EM density map2017

    • 著者名/発表者名
      Takaharu Mori, Osamu Miyashita, Yuji Sugita
    • 学会等名
      Biophysical Society Thematic Meeting “Conformational Ensembles from Experimental Data and Computer Simulations”
  • [学会発表] 新規連続体近似モデルを用いた膜タンパク質のシミュレーション2017

    • 著者名/発表者名
      森貴治、杉田有治
    • 学会等名
      日本物理学会 2017年秋季大会
  • [学会発表] 膜模倣環境の膜タンパク質構造への影響を評価する新規シミュレーション法の開発2017

    • 著者名/発表者名
      森貴治、杉田有治
    • 学会等名
      第17回 日本蛋白質科学会年会
  • [学会発表] Molecular mechanisms of proton transfer in the protein secretion motor SecDF2017

    • 著者名/発表者名
      Takaharu Mori, Tomoya Tsukazaki, Yuji Sugita
    • 学会等名
      IUPAB & EBSA 2017

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公開日: 2018-12-17  

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