動物の器官形成は上皮組織が適切に変形を繰り返すことで進行する。ショウジョウバエ気管形成における陥入運動をモデルとしてこの上皮形態形成機構の解析を進めた。気管運命決定因子Trhは陥入運動の開始ではなく陥入後にその構造を維持するために必須であること、Trhの下流でCv-c RhoGAPがRho1活性やミオシン活性の低下を介して陥入構造維持を制御している可能性を見出した。本研究により上皮組織安定形状は細胞運命によって決まっていること、形態形成運動の駆動と上皮組織の安定形状は異なる機構により制御さること、そしてこの両機構がうまく組み合わさることにより正確に上皮形態形成が進行することが考えれた。
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