私たち人間を含む動物は、多種多様な環境に適応放散し、実に様々な姿をした生物に進化してきました。一方で、変化に乏しい特徴があるのも確かです。哺乳類、爬虫類、鳥類、両生類、魚類、いずれも解剖学的な基本構造には大きな変化はありません。我々はこの「変化しずらい体の基本構造」の謎に迫りました。体の構造がつくられるのは、受精卵から体ができる発生過程です。この発生過程で働く遺伝子に着目し、何万という遺伝子の働きを調べたところ、何度も何度も使い回されている遺伝子が、進化を通した基本構造の変わりにくさと関係していることがわかったのです。
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