TSWV S RNAの複製に重要な領域の絞り込みを進め、5'末端および3'末端で異なる長さの領域が複製に必須であることを明らかにした。 出芽酵母細胞内でTSWV S RNAを複製させる実験系を用いて、TSWVの複製に関与する宿主因子の探索を開始した。出芽酵母は5916個の遺伝子をもつと推測されているが、このうち各遺伝子が破壊された4956株からなるライブラリーを入手した。このライブラリーにTSWVの複製に必要なタンパク質およびRNAを発現するプラスミドを導入し、複製が起こらない変異体の取得するためのハイスループット実験系を構築した。この系を用いて約350株について一次スクリーニングを行い、このうち27系統を一次候補として選抜した。さらに条件を変えて二次スクリーニングを行い、二次候補として5系統を選抜した。次年度以降はさらに残りの遺伝子破壊株についてスクリーニングを進めるとともに、実際にこれらの候補遺伝子オルソログが植物におけるTSWVの増殖に関与しているかについて順次調べる予定である。
|