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2018 年度 実績報告書

窒素応答を司る転写因子NLPの機能発現の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 15H05616
研究機関東京大学

研究代表者

小西 美稲子  東京大学, 生物生産工学研究センター, 特任講師 (20642341)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード植物栄養
研究実績の概要

植物は土壌から硝酸イオンを吸収し窒素源として利用する。吸収された硝酸イオンはシグナルとしても作用して硝酸イオンの利用を促進するが、この過程において中心的な役割を担うのがNLP転写因子である。硝酸シグナルがNLP転写因子タンパク質を活性化し、活性化されたNLP転写因子が硝酸イオンの吸収や同化に関わる遺伝子の発現を引き起こすことで硝酸イオンの利用が促される。したがってNLP転写因子の作用機構を明らかにすることで、植物が窒素を効率よく利用するメカニズムについての知見を得ることができる。シロイヌナズナのNLPタンパク質同士がそのカルボキシ末端のPB1ドメインを介して互いに結合する可能性が示されたことから、その相互作用の役割を検討した。NLP7タンパク質にPB1ドメイン同士が結合できなくなるような変異を導入すると、植物体内で転写因子としての活性が顕著に低下することが分かった。すなわち、PB1ドメインを介した相互作用がNLP7の十分な機能発現に必須であることが明らかとなった。一方で、単離細胞を用いた実験系でアッセイを行った場合にはこの変異型NLP7も、変異を入れていない元のNLP7と同程度の転写促進活性を示したことから、この実験系における遺伝子発現ではPB1ドメインは必要ではないことが分かった。植物体と単離細胞実験系における遺伝子発現様式の違いを考慮すると、植物体内ではゲノムDNAが取っているクロマチン構造が転写の障壁となっていることがもっとも大きな違いであると考えられ、PB1ドメインを介した相互作用はこの障壁を解除するために必要であると推測された。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] The role of protein-protein interactions mediated by the PB1 domain of NLP transcription factors in nitrate-inducible gene expression2019

    • 著者名/発表者名
      Konishi Mineko、Yanagisawa Shuichi
    • 雑誌名

      BMC Plant Biology

      巻: 19 ページ: 90

    • DOI

      10.1186/s12870-019-1692-3

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A NIGT1-centred transcriptional cascade regulates nitrate signalling and incorporates phosphorus starvation signals in Arabidopsis2018

    • 著者名/発表者名
      Maeda Yoshie、Konishi Mineko、Kiba Takatoshi、Sakuraba Yasuhito、Sawaki Naoya、Kurai Tomohiro、Ueda Yoshiaki、Sakakibara Hitoshi、Yanagisawa Shuichi
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 9 ページ: 1376

    • DOI

      10.1038/s41467-018-03832-6

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Repression of Nitrogen Starvation Responses by Members of the Arabidopsis GARP-Type Transcription Factor NIGT1/HRS1 Subfamily2018

    • 著者名/発表者名
      Kiba Takatoshi、Inaba Jun、Kudo Toru、Ueda Nanae、Konishi Mineko、Mitsuda Nobutaka、Takiguchi Yuko、Kondou Youichi、Yoshizumi Takeshi、Ohme-Takagi Masaru、Matsui Minami、Yano Kentaro、Yanagisawa Shuichi、Sakakibara Hitoshi
    • 雑誌名

      The Plant Cell

      巻: 30 ページ: 925~945

    • DOI

      10.1105/tpc.17.00810

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 硝酸シグナルに応答した遺伝子発現誘導におけるNLP転写因子のPB1ドメインの役割2019

    • 著者名/発表者名
      小西美稲子,柳澤修一
    • 学会等名
      第60回日本植物生理学会年会
  • [学会発表] Molecular mechanism underlying feedback regulation of nitrogen response by glutamine in plants2019

    • 著者名/発表者名
      Pengcheng Guo、Shuichi Yanagisawa、Mineko Konishi
    • 学会等名
      第60回日本植物生理学会年会
  • [学会発表] シロイヌナズナにおける、硝酸シグナルによるNAD 生合成制御がもたらす広範な代謝動態2019

    • 著者名/発表者名
      斉藤守秋、宮城敦子、小西美稲子、川合真紀、柳澤修一
    • 学会等名
      第60回日本植物生理学会年会
  • [学会発表] Roles of the NIGT1-Centered Transcriptional Cascade in the Regulation of Nitrate Uptake and Responses2019

    • 著者名/発表者名
      Mineko Konishi、Yoshiaki Ueda、Shuichi Yanagisawa
    • 学会等名
      Plant and Animal Genome XXVII
    • 国際学会
  • [学会発表] 硝酸応答性転写因子NLP7におけるPB1ドメインの役割の検討2018

    • 著者名/発表者名
      小西美稲子、柳澤修一
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会2018年度神奈川大会
  • [学会発表] 高等植物におけるグルタミンによる窒素利用関連遺伝子の発現抑制機構の解析2018

    • 著者名/発表者名
      郭鵬程、小西美稲子、柳澤修一
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会2018年度神奈川大会
  • [学会発表] NLP 転写因子を介した硝酸シグナルによるNAD 生合成制御メカニズム2018

    • 著者名/発表者名
      斉藤守秋、小西美稲子、柳澤修一
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会2018年度神奈川大会

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公開日: 2019-12-27  

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