プラスミドは接合伝達によって様々な細菌間を移動可能な遺伝因子である.その宿主域の情報は,細菌の進化・適応機構を理解する上で重要である.本研究では,嫌気性細菌を含むモデル複合微生物系から,不和合性群(Inc)P-1群の他,PromA群やInc未知の新規自己伝達性プラスミドを取得した.またこれらのプラスミドと既存のプラスミドを用いた接合実験により,接合伝達には酸素が必須でないこと,接合伝達頻度は好気より嫌気条件下の方が低いことが示された.さらに,モデル複合微生物系におけるIncP-1群やPromA群プラスミドの宿主域は酸素濃度の違いによって変化することが示唆された.
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