本研究は、複数のオミクス技術の組み合わせにより、ネムリユスリカの極限的な乾燥耐性の組織特異的な遺伝子機構を解明することを目的とした。その結果、ARIdと呼ばれる乾燥耐性関連遺伝子が集積したゲノム領域に多数のnoncoding RNA (ncRNA) が存在する事を見いだした。しかも、そのncRNAは、その近傍に存在する乾燥耐性関連遺伝子との発現相関があったことから、エンハンサーRNAである可能性がある。また、CAGE解析とRNAi実験により、熱ショック転写因子(HSF1)が、乾燥耐性特異的な転写活性化を通じて、重要な乾燥耐性機能発現調節因子であることを実証した。
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