研究実績の概要 |
平成29年度は, YUCCA結合タンパク質遺伝子とシロイヌナズナに3遺伝子存在するホモログ遺伝子の間に, 冗長性があるかを明らかにするため, それぞれのT-DNA挿入破壊株を用いて多重破壊株を作出した。しかし, 二重変異体では表現型に違いが認められなかったため、三重変異体及び四重変異体の作出を試みた。これまでに三重変異体の作製を終えており、現在その表現型の解析を行なっている。また、新たなオーキシンの生合成制御因子の獲得を目的として、メタンスルホン酸エチルで変異原処理された約20万個体のシロイヌナズナ野生型 (Landsberg erecta) のスクリーニングから見出した、胚軸の伸長や側根数の増加といったマイルドなオーキシン過剰様の表現型を示す変異体2ラインの解析を行った。しかし、既知のオーキシン生合成関連遺伝子の塩基配列を調べた結果、これら2ラインはオーキシン生合成に関与することが報告されているSUPERROOT1(SUR1)遺伝子にアミノ酸置換を伴う一塩基置換をそれぞれ有しており、SUR1の新たな変異体アリルであることが考えられた。さらに、YUCCAの阻害剤yucasinの誘導体から見出された新規なYUCCA阻害剤であるyucasin DFに関する共同研究成果が報告された。
|