研究課題
東南アジア熱帯泥炭湿地林の急激な環境変動によって、炭素や窒素を中心とした物質循環機構、特に温室効果ガス動態にどのような変化がしょうじているかについて明らかにするために、インドネシア・カリマンタン島、中央カリマンタン州およびスマトラ島、リアウ州において現地観測を行った。カリマンタン島およびスマトラ島で、土地の利用状況の異なる地点(天然林・排水林・二次林・焼け跡)において、地下水を採取し、その溶存態有機炭素の質および量について調査した。火災直後には、溶存態有機炭素の濃度が急激に増加し、同時に質的変化も見られた。カリマンタン島においては、タワー観測によるメタンフラックス観測をオープンパスメタン濃度分析計を用いて開始した。これは、インドネシア泥炭湿地で初めての観測となる。また、根切り区を設置し、天然林・排水林・焼け跡サイトにおいて泥炭分解(二酸化炭素放出)の調査を開始した。
2: おおむね順調に進展している
基本的には予定通り進んでいるが、2015年には、過去15年間で最もひどい、広範囲の泥炭火災が生じ、煙霧(ヘイズ)がスマトラ島東部、カリマンタン島全域に広がった。このため、航空機の欠航などが相次ぎ、調査地への訪問回数が当初の予定より少なくなった。
2015年の泥炭火災が起こった地点を中心に、火災直後の現地の物質循環の変化の状況を調査する予定である。また、2015年度に開始した調査についても継続して進める。
すべて 2015 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件)
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