本研究を通じて,農山村地域の資産を保有し,適切に利用することで地域経済の活性化に寄与しうる地域外部企業との協働の障壁は,事前の情報の非対称性と「協働」的活動を実施しうる地元のマンパワーの不足にあることが指摘された。それを克服しさえすれば,良好な自然資源を活用した農業・環境ブランドを形成し,税収,出生率,雇用など,多くの面で好循環が生まれる可能性が指摘できた。そのためには,地域経営を間接的に担う関係人口の増加と定着を進めるか,そしてそのための原資をいかに確保するかという,次なる課題を浮き彫りにすることができた。
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