研究課題
マダニの系統関係を解析するため、マダニミトコンドリアゲノム全長配列を解読する方法を開発した。ミトコンドリアゲノムの保存領域にユニバーサルプライマーを設計し、Long-range PCR産物をMiSeqにより解読した。国内に分布するマダニ25種についてミトコンドリアゲノム完全長配列を明らかにした。本手法により、マダニと共生菌の系統関係の詳細な比較が可能となった。国内のマダニが優占的に保有する共生細菌の遺伝的多様性をMultilocus sequence typing法により評価した。Rickettsia属細菌の解析では、宿主特異性が高いRickettsia種・遺伝子型と多数種のマダニによって維持されているRickettsia種・遺伝子型に大分されることが明らかとなった。一方、Spiroplasma属細菌では全てのマダニ種が固有のSpiroplasma種・遺伝子型を保有していた。しかしながら、データベース上の他のSpiroplasma種との系統解析の結果、マダニ由来Spiroplasmaは単一のクレードを形成せず、他の節足動物に由来するSpiroplasmaと複数のクレードを形成することから、Spiroplasmaは過去にマダニ-他の節足動物間で水平伝播を繰り返したことが示唆された。マダニが保有する真核生物叢を評価する解析系を開発した。データベース上のマダニ18SリボソーマルRNA遺伝子配列を比較し、マダニでの高度保存領域を特定しペプチド核酸を設計した。タイレリア原虫とフタトゲチマダニの18SリボソーマルRNA遺伝子を組み込んだプラスミドを用いて評価したところ、ペプチド核酸によるブロッキングPCRにより原虫由来遺伝子が10000倍以上に濃縮されることを確認した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (18件) (うち国際共著 16件、 査読あり 18件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
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