研究課題
若手研究(A)
マダニなどの節足動物は、病気を引き起こす病原体を体内に保有して、人や動物に伝播する。本研究では、そのような病原体媒介節足動物が他にどのような微生物の集団を保有するかを明らかにすることを目的とした。国内外で採集されたマダニを材料に、微生物由来の遺伝子を解析したところ、コクシエラやリケッチア等の特定の細菌群が優占して存在することが分かった。マダニとそれら優占細菌群の遺伝子型を比較したところ、親から子へ垂直伝播するものと、個体間で水平伝播するものの両方の存在が示された。
獣医寄生虫学
マダニが保有する微生物群全体を解析することで、新規のものを含む多数の微生物の検出に成功した。それら微生物の遺伝子情報は、マダニがどのようにして微生物の助けを得ながら生存しているのかを知る鍵となる。微生物がマダニ集団内でどのように維持されているかを知ることは、マダニがどのように病原体を獲得しているのかを知ることにつながり、マダニが媒介する感染症の対策に応用できる。