研究実績の概要 |
1. CFTRの細胞質領域である NBD1 精製タンパク質を用いた in vitro ユビキチン化実験の結果,RFFL は構造異常状態に依存して,NBD1 を直接的にユビキチン化すること,また,そのユビキチン化に RFFL の N 末領域の disordered regions が必要であることが明らかとなった.本研究成果は国際誌 Developmental Cell(Okiyoneda T et al, 2018)で論文発表した.また,RFFLノックダウンが嚢胞性線維症(CF)の原因となる CFTR 変異体の形質膜安定性および膜発現機能を改善することから,RFFL を標的とした「嚢胞性線維症予防又は治療剤」の特許出願(国内およびPCT出願)を行った.
2. RFFL および CFTR-NBD1 精製タンパク質を用いた AlphaScreen 法を確立した.本手法により 384 well plate format でのスクリーニング系が構築できた.細胞内での RFFL と CFTR 変異体(全長)の相互作用評価系として,NanoBiT 法の構築に成功した.さらに,RFFL N 末領域を含むfragment が AlphaScreen 及び NanoBiT 法で,RFFL-ΔF508 CFTR 相互作用を阻害することを見出した.今後,細胞モデルにおいて RFFL N 末領域を含むfragment が ΔF508 CFTR の形質膜安定性及び形質膜発現機能を改善するか否かを評価する予定である.
3. HECT型ユビキチンリガーゼタンパク質精製を大腸菌および哺乳類動物細胞から試みたが活性がある十分量のタンパク質の精製が達成できなかった.しかしながら,共同研究による無細胞発現系により,HECT型ユビキチンリガーゼタンパク質の精製に成功した.今後,CFTR 相互作用解析の評価系を構築予定である.
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