研究課題
これまでに大腿坐骨神経切除によるHDOIの発現低下を認めた。この結果から、HDOIと機械刺激との関係性が明らかになった。そこで制御メカニズムを明らかにするために、骨膜細胞を単離してin vitro実験系を作成し、人工的な機械刺激モデルを適用した。これまで、骨膜にかかる機械刺激の詳細は明らかにされていないが、HDOIの発現部位が脛骨の凸面に多いことから、伸展刺激に着目した。培養用ハイドロゲルを共同研究者の先生に作成して頂き、骨膜細胞をゲル上で培養し、qPCRによりHDOIの発現変化を検討した。HDOIの発現は中程度の硬さのゲル(13.8 kPa)上で最大で、硬いゲル(30.1 kPa)、柔らかいゲル(7.5 kPa)上では、ほとんど発現を認めなかった。すなわち、HDOIの発現制御に伸展刺激が関与する可能性が示唆された。しかし、骨膜細胞の初代培養細胞系が不安定であったために、再現性に乏しく、今後さらに安定した実験系を用いて解析していく予定である。HDOIの標的細胞は骨芽細胞や脂肪細胞に分化する能力を持つので、間葉系幹細胞様の細胞であると考えている。そこで、標的細胞が間葉系幹細胞であるかをさらに確認するために、間葉系幹細胞特異的遺伝子マーカーの発現をFACSにて検討した。これまでに報告のあるCD29, Sca-1, CD105について発現を検討したところ、HDOI標的細胞はいずれのマーカーも発現しており、特にSca-1の発現が高い集団であることがわかった。また、Sca-1やCD105の陽性細胞とHDOIの標的細胞の多分化能を比較したところ、HDOIの標的細胞が最も骨細胞になり易い細胞であることを明らかにした。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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