研究課題
本研究計画では、高速な「交配なし遺伝学(ESマウス遺伝学)」と「全脳イメージング(CUBIC)」技術を組み合わせ、表現型の表出に関わる責任細胞を同定する技術(個体レベルのシステム要素同定技術)の開発を目指している。本年度は、理化学研究所の研究協力者らが稼働させているESマウスの作製系の導入のため、ES細胞の培養系の導入と改良、ES細胞インジェクションのためのインジェクターとレーザー穿孔装置の導入を行った。ま他、遺伝学的ツールの空間的な発現系を立ち上げるため、特徴的な細胞にCreリコンビナーゼを発現するマウス系統(Creトランスジェニックマウス、ノックインマウス)を導入した。今年度は特に、新規のESマウスの作製に先行して、全脳3次元イメージング系CUBICの汎用化を中心に計画の遂行と成果発表を行った:1) 透明化・イメージング・画像解析のプロトコル化とリソース化を進めた(Susaki et al. Nature Protocols 2015)。2) 上記の関連手法を取りまとめた英文総説を発表した(Susaki and Ueda, Cell Chemical Biology 2016)。3) CUBICを応用した脳神経活動の全脳モニタリングに成功し、in situ hybridizationを用いたvalidation studyも行った(Tatsuki et al. Neuron 2016)。
2: おおむね順調に進展している
予定していたES細胞培養系と機材の導入が順調に進んだこと、またCUBICを用いた全脳イメージング系の整備と応用例の蓄積が進み、原著論文としての発表を複数行ったことから、概ね順調な推移とした。
本年度中に導入したESマウス作製系の稼働を目指す。また代替手法として、アデノ随伴ウイルスを用いた細胞ラベリング系に着目しており、遺伝学的改変をスキップした形で細胞ラベリングが実現できないかを検討する。CUBICについてはプロトコルをさらにアップデートし、本研究計画に即した透明化・イメージング手法への最適化を図る。また、遺伝学的ラベリングのvalidation系として、透明化と組織学的染色法を組み合わせた細胞ラベリング・イメージング系を導入する。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 6件) 備考 (2件)
Neuron
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1016/j.neuron.2016.02.032
Cell Chemical Biology
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http://www.u-tokyo.ac.jp/ja/utokyo-research/research-news/calcium-controls-sleep-duration-in-mice.html
http://cubic.riken.jp