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2015 年度 実績報告書

ATP競合型チロシンキナーゼ阻害剤の作用を増強する併用化学療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15H05666
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

安田 浩之  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (70365261)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード肺癌 / ATP競合型チロシンキナーゼ阻害剤 / ATP
研究実績の概要

本研究の目的は、現在抗癌剤として広く使われているATP競合型チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の作用を増強する併用化学療法を開発することである。現在、癌細胞特異的タンパクを標的とした分子標的治療薬が盛んに開発されている。分子標的治療薬の多くは、ATP競合型TKIである。申請者は、今までの研究から複数のATP競合型TKIの薬剤感受性が腫瘍内のATP濃度に依存していることを見出した。つまり腫瘍内のATP濃度を低下させることで、ATP競合型TKIによる癌治療をより強力にすることが可能になる。本研究が進むことで、ATP競合型TKIを用いたより強力な抗癌剤治療法を開発し癌患者の予後を大きく改善できる可能性がある。
我々は、現在までにin vitroの実験を行い、複数の代謝薬と複数のATP競合型チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の併用療法の効果を評価した。その中で、複数の代謝薬がATP競合型チロシンキナーゼ阻害剤の効果を増強させることを明らかにした。
今後、これら代謝薬がなぜATP競合型チロシンキナーゼ阻害剤の効果を増強させるのかのメカニズムを明らかにするための研究を行うとともに、さらにこれら代謝薬とATP競合型チロシンキナーゼ阻害剤の併用療法がin vivoでも有効なのか否かを明らかにする予定である。さらにin vivoで有効性が確認できた後には、ヒトを対象とした臨床試験も考慮に入れるが本研究期間を超えることが予想される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記の通り、我々は今までのin vitroでの研究である種の代謝薬とATP競合型チロシンキナーゼ阻害剤の併用療法が複数の肺癌細胞株に有効であることを明らかにしている。今後メカニズムの解明やin vivo実験に入っていく予定であるが、おおむね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

今後は、ある種の代謝薬とATP競合型チロシンキナーゼ阻害剤の併用療法が複数の肺癌細胞株に有効である理由を明らかにするための研究を行う。具体的にはImaging mass-spectrometryなどを用いた癌細胞の代謝に与える影響を評価する。また上記併用療法がin vivoでも有効か否かを明らかにするための研究を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件)

  • [雑誌論文] Activation of EGFR baypass Signaling by TGFα Overexpression Induces Acquired Resistance to Alectinib in ALK-Translocated Lung Cancer Cells2016

    • 著者名/発表者名
      Tani T, Yasuda H, Hamamoto J, Kuroda A, Arai D, Ishioka K, Ohgino K, Miyawaki et al.
    • 雑誌名

      Molecular Cancer Therapeutics

      巻: 15(1) ページ: 162-71

    • DOI

      10.1158/1535-7163

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] In vitro modeling to determine mutation specificity of EGFR tyrosine kinase inhibitors against clinically relevant EGFR mutants2015

    • 著者名/発表者名
      Hirano T, Yasuda H, Tani T, Hamamoto J, Oashi A, Ishioka K, Arai D, Nukaga S et al.
    • 雑誌名

      Oncotarget

      巻: 6(36) ページ: 38789-803

    • DOI

      10.18632/oncotarget.5887.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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