研究課題
1.スポットスキャニング照射法とパッシブ照射法の陽子線治療に関する生物学的効果、酸素効果比、Distal endの生物効果、直接効果の検討結果をInt J Radiat Oncol Biol Phys. 2016にpublishした。2.培養細胞において、シスプラチンとX線/陽子線をそれぞれ同時併用すると、高濃度投与、高線量の陽子線治療をの場合には特に増感効果が強く発現した(p<0.05)。タイムラプスイメージングにて、細胞のapoptosis評価を行うと、上記の条件では、有意に全細胞死に対するapoptosisの割合が上昇していた。3.非小細胞肺がんに対する同時併用化学放射線治療(X線/陽子線)の実臨床データより、原発巣の腫瘍退縮曲線を解析したところ、陽子線併用により、退縮効果が強くなることが示唆された。4.陽子線で一般的に使用されるHSG cellに対して、PiggyBac Transposon Vectorを使用して、Fucciを導入した。HSG-fucci cellを作成して、タイムラプスイメージングを行い、cell cycleの評価となる赤、緑の蛍光染色を確認することができた。5.Spheroid cellをマイクロプレートで作成し、低酸素イメージングにて、低酸素イメージを確認した。またX線と陽子線を照射場合の違いを検討するための、予備検討をおこない、また希少糖を培養細胞にあたえ、照射することで、防護効果・増感効果の検討を、おこなっており、低酸素環境の作成を行い、追加検討している。
2: おおむね順調に進展している
上記のごとく、論文が採択され、またタイムラプスイメージングにより、同時併用化学陽子線治療に関する増感効果増強が確認され、今後論文化予定である。また細胞周期評価のためのfucci導入がおわり、今後追加実験にて評価予定である。その発展形として、Spheroidやハエを使用した検討の予備検討が進んでいる。
研究実施計画書の予定、また一部追加・変更して以下の研究を予定している。1.同時併用化学陽子線治療の検討に関して、基礎実験データと臨床データに関してそれぞれ論文化予定。2.Fucci導入した培養細胞において、陽子線と抗がん剤の細胞周期に与える検討を行う予定。3.低酸素環境下での、希少糖が照射(X線、陽子線)に与える影響を追加検討予定している。4.ハエに対する陽子線の影響を、表現型+遺伝子的に評価予定している。5.スクラッチアッセイにより、陽子線が、細胞の遊走能に与える影響を検討予定している。また正常細胞への影響と防護剤に関する検討を追加予定している。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
Int J Radiat Oncol Biol Phys.
巻: 95 ページ: 95-102
10.1016/j.ijrobp.2016.01.017
J Radiat Res.
巻: 57 ページ: 524-532
10.1093/jrr/rrw052