研究課題
本研究では、代表者が開発した複合組織誘導技術の医療応用を目指し 、大量かつ均質な小型の肝臓原基を作製するための基盤的細胞操作技術を開発する。さらに、同所、およひ異所を含むさまざまな移植部位を比較することにより、肝不全症治療の実現を目指したヒトiPS由来肝臓原基移植操 作技術の最適化を試みる。臓器移植の代替治療として、多くの患者を救済する革新的再生医療技術となるのみならず、医療関連産業にも画期的進歩をもたらすことが期待される。これまでに得られた検証結果をもとにヒトiPS細胞由来肝臓原基を用いた移植操作の最適化を行った。すなわち、前年度までに開発したヒトiPS細胞由来肝臓原基を数千―万個の門脈内投与および、異所性部位への移植実験を並行して進めた結果、レシピエントの肝障害状態に応じて最適な移植部位を異なる可能性が示唆された。さらに、移植した肝芽より分化した肝組織の分化成熟度に移植操作が及ぼす影響について評価を行い、ヒト肝細胞特異的な機能マーカーを用いた組織解析・ELISA解析を実施した。さらに、シングルセル解析による細胞間相互作用の解析を行い、成体のヒト肝組織のアレイ情報との類似性を立証した。一方、 臓器障害モデルマウスを用いたヒト肝臓原基移植治療効果を検討するために、ガンシクロビル応答性に肝細胞障害を誘発可能なトランスシジェニックマウス(Albumin-Tk-NOGマウス)を用いて移植実験を実施した。その結果、明快な治療効果を立証することができた。また、膵ベータ細胞の傷害をきたすInsulin-TRECK-scidマウスを対象に膵島サンプルを用いて同様の培養方法を検討した結果、移植により治療効果を確認した。以上の結果は、Nature誌、Cell Reports誌2本(うち1本は表紙に採択)掲載された。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Cell Reports
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