研究課題/領域番号 |
15H05679
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
大倉 華雪 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 難治性疾患治療開発・支援室, 研究調整専門員 (20589684)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 再生医学 |
研究実績の概要 |
肝線維症に対する抗ウイルス治療は一定の成果を上げているが、肝機能改善は必ずしも期待できていない。本研究は、ウイルス排除療法の適応とならず、 肝線維化の進行により肝硬変が悪化する患者を対象とした、脂肪組織由来他系統前駆細胞を用いた 肝線維融解療法の開発を最終目標としている。 平成28年度においては、製品標準所、標準作業手順書、製造指図書、記録書の策定に取り掛かり、一次図書に関しては策定が終了した。今後、医薬基盤・健康・栄養研究所 難治性疾患研究開発・支援センター協力のもと、治験可能性のある病院情報を検索するとともに、想定しうる治験プロトコールなどについても検討を重ねる。 各法令との齟齬確認の後、cold runを数例実施しながら最終図書として策定予定である。また、平成28年度は通知改正等があったことから、予定していた大動物を用いた安全性試験やPMDA相談等の項目を実施することは見合わせたが、小動物を用いた有効性試験および体内動態試験を実施し、細胞の有効性を確認するとともに、投与の細胞の体内分布および消失を確認し、良好な結果を得ることができた。 実際の臨床応用に際し、本治療に有効と想定されるサイトカイン分泌量の、脂肪ドナーによる分泌量のばらつきなど、新たに問題となりうると示唆される項目に対して、マイクロアレイを用いた系を立ち上げ、検証を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画において、大動物試験等の計画を行っていたが、各種通知改正等があったことから、安全性試験を行っても再試験を行わなければならない可能性が考えられたため、平成28年度においての実施を見合わせた。また、当該通知の改正により、実臨床においてさらに検証すべき課題も見えてきたため、マイクロアレイを用いた系を立ち上げ、検証を行った。 今後行うべき試験等についてはほぼ確定しており、平成28年に発生してしまった遅れについては問題なく取り戻せるものと想定している。
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今後の研究の推進方策 |
脂肪組織由来他系統前駆細胞を用いた細胞投与の有効性・安全性試験を経て、整備した一次図書を最終図書へと最終化させる作業を行い、臨床に向けて準備を行う。
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