1.患者由来靭帯細胞におけるCdk1の発現調節による骨化に対する影響についての検討 術中に採取した後縦靱帯より細胞を培養し、Cdk1を過剰発現及びノックダウンした培養細胞に対してBMP2を用いて骨化誘導を行い、Cdk1の発現調節による骨化への影響について検討した。本検討については現在もサンプル数を増やして継続中である。 2.軟骨代謝におけるCdk1の生理学的意義の検討(in vitro) 予備実験において軟骨特異的Cdk1欠損マウスは著明な低身長を示した。in vitroにて軟骨細胞株であるATDC5細胞を各々用いてCdk1を過剰発現及びノックダウンを行い、軟骨細胞の分化・増殖に対する影響についてCCK8を用いた細胞増殖アッセイや定量的RT-PCRにて詳細に解析し、Cdk1が軟骨増殖において必須であり、Cdk1を欠損することにより軟骨の分化が進行することを明らかにした。更に、器官培養により、cdk1が軟骨増殖・分化の重要な調節因子であるPTHRPの作用において必須であることを明らかにした。 3. 軟骨代謝におけるCdk1の生理学的意義の検討(in vivo) Cdk1欠損マウスは胎生致死であるため、軟骨細胞特異的Cdk1欠損マウスを作成し、解析した。骨細胞特異的Cdk1欠損マウスは出生後早期に死亡する為、胎児の段階における切片を作成して組織学的検討を行った。Cdk1欠損マウスの四肢は短縮しており、特に増殖軟骨細胞層が欠損していた。
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