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2016 年度 実績報告書

尿路上皮特異的な時間生物学的アプローチによる夜間頻尿の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 15H05682
研究機関京都大学

研究代表者

根来 宏光  京都大学, 医学研究科, 助教 (80708595)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード排尿障害 / 時間生物学 / 尿路上皮 / コネキシン43 / Bmal1
研究実績の概要

時計遺伝子Per2::Lucマウスの膀胱尿路上皮の発光リズムをex vivoにて測定し、マウス膀胱尿路上皮には概日リズムが存在することを明らかにした。また、マウスの尿路上皮を、4時間毎に連続7ポイントで採取し、RT-PCR法、immunoblotにて、時計遺伝子、Cx43の発現量を評価したたところ、主要時計遺伝子だけでなくCx43にも概日リズムが存在していることが明らかになった。また、マウス膀胱内に一定水圧を加えた後の膀胱内ATP濃度にも日内差が存在しており、これは膀胱尿路上皮におけるCx43の日内差に正相関していた。さらにATP放出量はCx43強制発現株で有意に上昇、抑制株で低下し、GAP19(Cx43ヘミチャネル特異的阻害薬)存在下では培養細胞だけでなくマウス膀胱内においてもATP濃度は低下し、尿路上皮におけるCx43ヘミチャネルの機能を明らかにした。
また、2光子励起顕微鏡を用いたin vivo imagingの手法で、マウスの生体内での尿路上皮の観察を行った。その結果、マウスの尿路上皮に伸展刺激が加わることで尿路上皮から放出されたATPは、尿路上皮細胞で細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)活性を上昇させることをin vivo imagingで確認することに初めて成功し、論文発表した。
一方、尿路上皮特異的に主要時計遺伝子Bmal1およびギャップ結合構成蛋白コネキシン43をノックダウンしたマウスの作製を行い、それぞれ目的の遺伝子型を持つマウスを作製した。尿路上皮での目的遺伝子の組み換えを、DNAレベルでは確認されたが、mRNA、蛋白レベルでのノックダウン効率が不十分な結果であり、現在他の方法での作製を検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

尿路上皮に概日時計が存在する事、Cx43が概日リズムを呈し、ATP放出経路となりうるヘミチャネル機能も有しているこを明らかにし、学会発表した。またIn vivo imagingの手法で、尿路上皮に対する進展刺激が加わった際にATPが放出され、ERK活性につながることをimaging技術でとらえることに初めて成功し、これを論文発表した。
一方、目的の遺伝子配列を持つマウスの作製には成功したが、理論通りのノックダウン効率が得られておらず他の方法での作製を試みている。

今後の研究の推進方策

遺伝子組み換え酵素Creの活性化に、タモキシフェンの存在を必要としないCreマウスを譲渡頂く予定で海外施設からの搬入待ちの状態である。一方、尿路上皮特異的では無い、全身での遺伝子改変マウスを用いた排尿行動解析、膀胱内圧測定は継続して進めていく予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 6件)

  • [雑誌論文] Intravital imaging of mouse urothelium reveals activation of extracellular signal-regulated kinase by stretch-induced intravesical release of ATP.2016

    • 著者名/発表者名
      Sano T, Kobayashi T, Negoro H, Sengiku A, Hiratsuka T, Kamioka Y, Liou LS, Ogawa O, Matsuda M
    • 雑誌名

      Physiological reports

      巻: 21 ページ: -

    • DOI

      10.14814/phy2.13033

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 日内排尿リズムを司る膀胱時計2017

    • 著者名/発表者名
      根来宏光
    • 学会等名
      第87回日本衛生学会学術総会
    • 発表場所
      フェニックス・シーガイア・リゾート
    • 年月日
      2017-03-26 – 2017-03-28
    • 招待講演
  • [学会発表] 体内時計と夜間頻尿とタダラフィル2017

    • 著者名/発表者名
      根来宏光
    • 学会等名
      第18回神戸地区泌尿器科カンファレンス
    • 発表場所
      ホテルオークラ 京都
    • 年月日
      2017-01-12 – 2017-01-12
    • 招待講演
  • [学会発表] 概日時計はLUTSに関与するのか?-そのメカニズムから治療を考える-2016

    • 著者名/発表者名
      根来宏光
    • 学会等名
      第4回排尿イノベーションミーティングinさいたま
    • 発表場所
      ラフォーレ清水園
    • 年月日
      2016-11-24 – 2016-11-24
    • 招待講演
  • [学会発表] 概日時計と日内排尿リズム2016

    • 著者名/発表者名
      根来宏光
    • 学会等名
      第11回Urology Study
    • 発表場所
      ソラリア西鉄ホテル
    • 年月日
      2016-06-07 – 2016-06-07
    • 招待講演
  • [学会発表] 体内時計と膀胱機能2016

    • 著者名/発表者名
      根来宏光
    • 学会等名
      第104回泌尿器科学会総会
    • 発表場所
      仙台国際センター
    • 年月日
      2016-04-23 – 2016-04-23
    • 招待講演
  • [学会発表] 体内時計と膀胱機能2016

    • 著者名/発表者名
      根来宏光
    • 学会等名
      第72回NGB研究会
    • 発表場所
      日本新薬大阪営業所
    • 年月日
      2016-04-16 – 2016-04-16
    • 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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