研究課題
尿路上皮におけるCx43の転写制御機構の解明のため、不死化尿路上皮細胞(TRT-HU1)にレポーターアッセイを行い、Sp-1と時計遺伝子Rev-erbαによる転写制御機構を明らかにした。これまでの研究成果である、尿路上皮に概日時計が存在し、Cx43が概日リズムを有しATP放出経路となりヘミチャネル機能も有していることを国際学会で発表し、論文発表した。また、尿路上皮特異的にBmal1、Cx43ノックダウンしたマウスの作成するにあたり、遺伝子組み換え酵素Creの活性化に外因性のタモキシフェンを必要としないCreマウスを入手した。SPF化を終了し目的の遺伝子型をもつマウスの作成段階にある。今後はそのマウスの解析を中心に行う。尿路上皮をqPCR、immunoblotting、免疫染色にてsham 投与と比較検討する。aVSOP による排尿行動解析、さらに膀胱内圧測定による膀胱機能解析、muscle strip test に対する尿路上皮機能の影響を検討し、尿路上皮末梢時計の破綻が、排尿のフェノタイプにどのように関与するかを明らかにする。またフェノタイプに差があるようであれば尿路上皮における末梢時計の膀胱機能分子制御機構の検討として、尿路上皮の末梢時計がどのような分子を介して膀胱機能を制御するのかを網羅的に解析する。野生型マウスの膀胱で同様に解析しデポジットしたデータ(GSE35795)と比較することで、膀胱において尿路上皮の時計によって制御され日内変動する遺伝子の解析を行う予定である。
2: おおむね順調に進展している
尿路上皮の概日時計の存在と、コネキシン43が概日リズムを呈し、ATP放出経路となるヘミチャネル機能を有していることを明らかにし、国内外の学会にて発表し、論文発表を行った。また、尿路上皮特異的な遺伝子ノックダウンマウスの作成は、当初の方法では理論通りのノックダウン効率が得られなかったがタモキシフェン投与を必要としないマウスを入手し、次年度中にはマウスを用いた行動解析、機能解析を行う事が出来る見通しである。
Bmal1、コネキシン43の2系統の尿路上皮特異的な遺伝子ノックダウンマウスを用いて、行動解析、機能解析を行い、これらの遺伝子が尿路上皮で担う役割を明らかにする。またDNAマイクロアレイにてこれらのマウスの遺伝子変異を網羅的に解析する予定である。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 2件)
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