研究課題
本研究では、現在包括支払制度に広く使用されている「DPCデータ」に、重症救急疾患の重症度評価に欠かせない「病院前情報」及び「検査結果情報」を、電子データで統合し、「重症救急疾患big data」という世界に類を見ないデータベースを作成するための基盤を作ることを目標とした。大規模多施設共同前向き研究として、様々な重症救急疾患の重要課題を、臨床疫学研究の専門家と協力し解析・報告する。これまで欧米各国から遅れをとってきた、日本における重症救急疾患の臨床研究が活性化され、また得られた研究成果を救急医療現場に有機的に還元することで、最終的には重症救急疾患患者の予後の改善に結びつくことを目指すものである。平成27-28年度では、4施設において、①病院前情報、②DPC情報、③検査結果情報が全ての、紐付けることができた、データベースの構築に成功した。作成したデータベースを元に解析した結果を、原著論文として、報告している。今後、様々な分野・領域・疾患の臨床研究のoutputを行う予定である。平成29年度は、個人情報保護法の変更にともない、DPCデータを匿名化するためのアプリケーションの開発を行った。本ソフトは、DPCデータの形式になれていない研究者にも、簡単に必要データ項目を抽出出来る様にするための機能も備えている。近日中に、フリーソフトアプリケーションと公表を行う予定である。将来像も見据えて、日本救急医学会及び日本集中治療医学会のデータベースとの連携の可能性も探る。
1: 当初の計画以上に進展している
予定としていた、フリーソフトアプリケーションの開発まで終了した。
次年度以降の大規模な多施設共同研究に向け整備を開始する。また、成果物である、フリーソフトアプリケーションの宣伝に努める。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)
Journal of Thrombosis and Haemostasis
巻: 16 ページ: 458~461
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