研究課題
本研究では,ジェネラリスト看護師の家族看護力を向上させるeラーニング教育プログラムの開発・実証することを目的としている.本年度は昨年度から引き続き,ジェネラリストの家族看護力を測定する尺度の信頼性と妥当性の検討を実施した.尺度の開発過程は,家族支援専門看護師,家族看護学を専門とする研究者を中心としたスペシャリストを対象としたデルファイ法により項目を洗練し,その後ジェネラリスト看護師を対象に尺度の信頼性と妥当性を検討するプロセスとした.本尺度の項目は,ジェネラリスト看護師の家族看護力の構成要素はであるが,その家族看護力の構成要素が身につくようにeラーニングツールを開発する必要があった.そこで,家族支援専門看護師,家族看護学を専門とする研究者らと共に,家族看護過程別(家族情報収集,家族アセスメント,家族支援計画,家族支援実践,家族支援評価)のeラーニングツールを作成した.このツールは,家族看護過程に必要な基礎知識を身につける要素と,事例展開の要素を含むものとした.現在,このeラーニングツールの運用に向けて,Web上でのシステムを構築中である.また,国内の文献検討により,eラーニングツールを用いた看護教育の現状と課題を明らかにした.その結果,eラーニングツールは看護基礎教育だけでなく,現任教育でも多く使用されていることが明らかとなった.また,eラーニングツールを用いるメリットも多くあるが,eラーニングツールだけでは,教育効果を高めることが難しい現状もあり,現場での実践能力を育てるには,eラーニングを用いた教育プログラムの運用が課題であることが明らかとなった.今後は,eラーニングツールを用いた看護教育の現状と課題についての文献検討の結果を踏まえて,現在eラーニングツールの運用方法を現任教育担当者,家族支援専門看護師,ジェネラリスト看護師らとともに検討中である.
3: やや遅れている
調査対象者のリクルートに時間を要したため予定より尺度の信頼性と妥当性を明らかにするための調査開始が遅れたが,その間にeラーニングツールの作成を進めたため,研究全体としては大幅な遅れとはなっていない.
平成30年度は,ジェネラリストの家族看護力を向上するためのeラーニングツールの運用方法について,教育効果が高い方法について文献検討と専門者会議から明らかにする.その後,eラーニングツールを用いた教育プログラムについてジェネラリストの看護師を対象としたパイロットスタディを行い,本研究で開発したジェネラリストの家族看護力をアセスメントする尺度を用いてジェネラリストの家族看護力向上プログラムの有効性を検討するための介入研究を実施する.
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