研究3~4年目である平成29~30年度は、平成28年度から実施されているケアの質改善活動の支援を継続し、介入後の質指標の変化について検討を行った。 1)平成28年度に引き続き、研究に協力している4施設において継続して実施されているケアの質改善活動の支援を行った。この施設における質改善活動は、月1回院内で実施される事例検討会を基本としている。事例検討会を通して、ケアスタッフが特定の患者へのケアを振り返り、ケアの改善の具体策を見出すともに、ケアスタッフの働きがいにつなげていくことを目指している。 2)6ヶ月間のケアの質改善活動の効果を検討するため、ケアの質改善活動前後の期間について診療録調査を実施し、質指標・ケアプロセスに関するデータ収集を行った。質指標項目として、尿路感染症、肺炎、身体拘束、褥瘡発生、転倒転落等の有害事象のほか、褥瘡・転倒転落のリスクアセスメントや経口摂取への移行、排泄自立のためのケアなど、ケアの質に関するポジティブな側面を評価した。 3)ケアの質改善活動前後のデータを分析し、ケアの質改善活動による質指標の変化を検討した。分析の結果、抑制の必要性評価と解除、褥瘡・転倒転落のリスクアセスメントの実施、入浴回数等の項目が、ケアの質改善活動後に改善していることが示された。
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