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2019 年度 研究成果報告書

星間水素の精密定量による新たな星間物質像の構築

研究課題

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研究課題/領域番号 15H05694
研究種目

特別推進研究

配分区分補助金
審査区分 理工系
数物系科学
研究機関名古屋大学

研究代表者

福井 康雄  名古屋大学, 理学研究科, 特任教授 (30135298)

研究分担者 立原 研悟  名古屋大学, 大学院理学研究科, 准教授 (70432565)
山本 宏昭  名古屋大学, 大学院理学研究科, 助教 (70444396)
佐野 栄俊  名古屋大学, 大学院理学研究科, 特任助教 (50739472)
小川 英夫  大阪府立大学, 理学系研究科, 客員教授 (20022717)
研究協力者 鳥居 和史  
早川 貴敬  
水野 恒史  
竹内 努  
谷口 義明  
渡部 直樹  
井上 剛志  
研究期間 (年度) 2015 – 2019
キーワード星間水素 / 分子雲形成 / 星間ダスト / ガンマ線 / バリオン / NANTEN2
研究成果の概要

星間水素の挙動を詳細に解析し、新たな星間物質像を構築し、銀河進化研究に新局面を拓く成果をあげた。主な観測・理論解析の成果は以下にまとめられる。1)星間水素原子は粒状に分布する低温相と広く分布する高温相とからなる。低温相は水素分子雲を形成し分子雲への転移を担う。2)水素分子の紫外線観測が不可能であるために、分子雲形成を直接観測することはできないが、理論モデルとの比較によって兆候を抑え、形成途上の星間雲を特定した。3)COとCI(中性炭素原子)の比較観測が中性水素全体の挙動の解明に有効であることを示した。4)水素を定量する新手法を開発し、精度良く水素原子柱密度を導出した。この際、γ線、ダスト放射との比較を併用し、ダストが水素ガス密度によって成長していることを見出した。5)4)と並行して、星間雲中の重元素量の高精度定量を可能にし、銀河系をとりまく高中速度雲の多くが10%程度の低重元素を持つことを明らかにした。6)マゼラン雲、M33、アンテナ銀河等において、大規模星団形成が水素原子雲および分子雲同士の衝突によって形成されていることを発見した。さらに、7)超新星残骸RXJ1713.7-3946において新たなガンマ線解析を行い、陽子起源ガンマ線の存在を立証した。8)広域分子雲観測装置NASCOの開発を行い、所期の性能を実証して広域観測の基盤を確立した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

星間水素は宇宙を構成する最も基本的な物質のひとつであり、その物理的理解は重要である。本研究は、従来にない視点から星間水素の存在形態、物理的化学的性質、ダスト進化、重元素の定量、球状星団の起源、さらに超新星残骸における宇宙線加速の実証という基本問題を、次々に解明して画期的な成果をあげた。その学術的意義は極めて高い。

自由記述の分野

天文学

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公開日: 2021-07-06  

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