研究課題/領域番号 |
15H05702
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小野 輝男 京都大学, 化学研究所, 教授 (90296749)
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研究分担者 |
仲谷 栄伸 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (20207814)
林 将光 物質・材料研究機構, 磁性・スピントロニクス材料研究拠点, 主任研究員 (70517854)
千葉 大地 東京大学, 工学系研究科, 准教授 (10505241)
河野 浩 名古屋大学, 大学院理学研究科, 教授 (10234709)
中村 浩次 三重大学, 大学院工学研究科, 准教授 (70281847)
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研究期間 (年度) |
2015 – 2019
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キーワード | スピントロニクス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、スピン軌道相互作用を利用してスピントロニクスに軌道という新たな自由度を加えることで、「スピンオービトロニクス」という新しい学理を構築し、革新的デバイスイノベーションへ展開することである。具体的には、以下の研究項目を実施する。 (1)スピン軌道相互作用を利用した物質探索 (2)スピン軌道相互作用を利用した新規スピン操作手法の研究 これまでの主な成果は以下のようである。 (1)“Sequential write-read operations in FeRh antiferromagnetic memory”, Appl. Phys. Lett. 107, 122403 (2015). 本論文は上記研究項目(2)に関するものであり、反強磁性体の磁区制御に成功したことを報告している。今後は、本論文で確立した手法によって作られた反強磁性体磁区をスピンオービットトルクで移動させることに挑戦する。 (2)“Soliton-like magnetic domain wall motion induced by the interfacial Dzyaloshinskii-Moriya interaction”, Nature Physics 12, 157 (2016). 本論文は上記研究項目(1)および(2)に関するものであり、スピン軌道相互作用によって生じるジャロンシンスキー守谷相互作用によって磁壁移動がソリトン的になることを明らかにしている。さらに、巨大ジャロンシンスキー守谷相互作用物質探索で必須となるジャロンシンスキー守谷相互作用の大きさを定量的に評価する手法も確立した。 (3)“Observation of asymmetry in domain wall velocity under transverse magnetic field”, APL Mater. 4, 032504 (2016). 本論文は上記研究項目(2)に関するものである。最近、磁性体の磁気緩和がスピン構造のカイラリティに依存するというカイラルダンピングという概念が発表されたが、本論文では、カイラルダンピングによって期待される磁壁移動の非対称性は、ジャロンシンスキー守谷相互作用の存在によっても説明できることを明らかにしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に問題点はなく順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
特に問題点はなく順調に進捗しているため、当初計画に沿って研究を推進する。
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