研究課題/領域番号 |
15H05723
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
中井 淳一 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (80237198)
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研究分担者 |
安藤 恵子 埼玉大学, 理工学研究科, 特任教授 (40221741) [辞退]
根本 直人 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (60509727)
大倉 正道 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (70369172)
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研究期間 (年度) |
2015-05-29 – 2020-03-31
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キーワード | 脳機能プローブ / 蛍光 / 分子進化 / 分子認識 |
研究実績の概要 |
機能的アプタマーを用いた蛍光プローブ開発:緑色蛍光Ca2+プローブG-CaMPの蛍光素子部分を基に作製した改変GFPの両端に、リンカーペプチドを介して基質に結合する2種類のペプチドアプタマーを遺伝子工学的に連結したライブラリーを作製した。 ランダム配列を持つアプタマーを用いた蛍光プローブ開発: 一般に、プローブのスクリーニングのために核酸とタンパク質の対応づけを行う。この目的のために、しばしば核酸とタンパク質を融合させることが行われる。この過程で融合率が低いとライブラリーの収率の低下やライブラリーサイズの低下を引き起こす。我々はelectrophoresis mobility shift assay (EMSA)を用いて融合効率を上げる検討を行った。その結果タンパク質と融合させる核酸の配列を選択することにより、融合効率を高めることができることを見出した。また、種々の融合手法を検討した結果、これまでよりも高効率にDNA配列を、目的タンパク質をコードするDNAに結合させたDNAライブラリーを作成できるようになった。 高速スクリーニング法の確立: セルソーターを用いたスクリーニング法は高速に多数の細胞や細菌、酵母、リポソームなどをスクリーニングし分取することができる。分子をスクリーニングするために、しばしば細胞やリポソームの表面に分子を固定化することが行われる。我々はリポソームにアンカーする新規ペプチドを開発した。さらに、このペプチドを用いて分子を細胞膜やリポソーム膜に効率的に固定化することが可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
測定装置の故障により一部の研究で時間がかかってはいるが、アプタマーを用いたライブラリーの作成や、抗体を用いてのプローブ開発で成果が上がっている。また、スクリーニング方法においてもリポソームにアンカーする新規ペプチドを開発し、このペプチドを用いて分子を細胞膜やリポソーム膜に効率的に固定化することが可能にしており、これらの成果から、全体的にはおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
(1)機能性アプタマーをGFPに結合させた融合タンパク質は、今後蛍光特性についてより詳細に調べるとともに、分子進化の手法を用いてより高性能はプローブへと進化させていく。(2)ランダム配列を持つアプタマーを用いた蛍光プローブ開発に関して、今後さらに高収率なライブラリー作成法を検討していく。(3)高速スクリーニング法開発について、セルソーターによる高速スクリーニング法の詳細を検討して、個々の実験者の実験手技の違いによる影響を少なくした精度の高いスクリーニング法を開発していく。
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