研究課題
機能的アプタマーを用いた蛍光プローブ開発:カルシウムイオンに感応し蛍光を発するG-CaMPのメカニズムを模倣し、標的分子に結合することにより蛍光を発する蛍光センサー分子を創製することを目的に以下のような分子デザインを行った。標的分子をすでに2種類のペプチドアプタマーが得られているIL-6Rとし、これに結合するCys2とCys4という2種類の結合サイトが異なるペプチドアプタマーをEGFPのN末端、C末端の両端にランダム領域を挟んで連結した構造をもつライブラリを構築し、cDNA displayライブラリの評価を行ったところ、目的の分子が合成されていることが分かった。ランダム配列を持つアプタマーを用いた蛍光プローブ開発:カルシウムセンサーG-CaMPの蛍光素子部分のN末端およびC末端にランダム配列のペプチドアプタマーを連結したライブラリーを構築した。反応条件を最適化し、理論上10の12乗-10の13乗の多様性を持つDNAライブラリを構築した。mRNA display分子を合成した。高速スクリーニング法の確立:セルソーターを用いた高速スクリーニング法を検討し、実験者の技量による影響を少なくした。本研究は従来のペプチドアプタマーライブラリーより分子量において、各段に大きな分子量のライブラリーを構築するものであり、この目的のためにはライブラリー構築における各ステップで効率を落とさないように反応系を最適化する必要がある。本年度はライブラリー構築の条件を検討し最適化した。この成果はこれまで非常に困難であった分子量の大きなライブラリーの構築に大きく寄与するものと考えられる。
3: やや遅れている
IL-6Rに結合するCys2とCys4という2種類の結合サイトが異なるペプチドアプタマーをEGFPのN末端、C末端の両端にランダム領域を挟んで連結した構造をもつライブラリを構築した。Cys-3,-4はいずれもアミノ酸残基で25残基程度であるため、併せても50残基程度である。また、ランダム部分は30残基程度である。そのため、GFPは238残基であることを考慮すると、ほぼ300残基程度のタンパク質ライブラリとなる。しかし、300残基のタンパク質を提示したcDNA display分子は発現効率が低いことが判明し、効率化をさらに高めるための最適化を行う必要が生じた。
機能的アプタマーを用いた蛍光プローブ開発:ライブラリー構築の更なる効率化に取り組む。ランダム配列を持つアプタマーを用いた蛍光プローブ開発:ライブラリー構築の更なる効率化に取り組む。高速スクリーニング法の確立:酵母ディスプレイ法やファージディスプレイ法は発現タンパク質の評価がしやすい系である。cDNAディスプレイ法に酵母ディスプレイ法を組み合わせてスループットよくスクリーニングできる方法を検討する。
すべて 2017 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (24件) (うち国際学会 22件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
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