研究課題/領域番号 |
15H05729
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
上東 貴志 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (30324908)
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研究分担者 |
西村 和雄 神戸大学, 社会科学系教育研究府, 特命教授 (60145654)
高橋 亘 大阪経済大学, 経済学部, 教授 (70327675)
貝原 俊也 神戸大学, システム情報学研究科, 教授 (70289114)
北野 重人 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (00362260)
敦賀 貴之 京都大学, 経済学研究科, 准教授 (40511720)
堀井 亮 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (90324855)
小林 照義 神戸大学, 経済学研究科, 准教授 (10387607)
柴本 昌彦 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (80457118)
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研究期間 (年度) |
2015-05-29 – 2020-03-31
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キーワード | 経済政策論 / 金融・経済政策 / リスクマネジメント / バブル / 金融ネットワーク |
研究実績の概要 |
本研究の理論分析は、浜田・堀井・上東・櫻川モデル、清滝・Moorモデル等を基本的枠組みに、資産バブル・マネー・政府債務を明確に区別できる形で導入する方向で進めている。本研究の実証分析は、資産・信用・国債の3 種のバブルを、資産バブル崩壊・金融危機・財政破綻のそれぞれのリスク指標として用い、上東・渡辺モデルを拡張し、これらのリスク指標をMCMCを拡張した手法で推定し、推定されたリスク指標と主要マクロ変数との構造的関係を実証的に求める方向で進めている。さらに、多層的金融ネットワーク・モデルを構築し、危機・破綻発生後の危機管理の手法の確立を目指している。 研究組織は、研究代表者・研究分担者・連携研究者・研究協力者が、「理論」、「実証」、「金融ネットワーク」、「シミュレーション」の4 グループを編成し、平成27年度は、理論(T1)、(T2)、実証(E1)、(E2)、シミュレーション(S1)、金融ネットワーク(N1)に関するプロジェクトを着手し、分析を進めた。(*は研究協力者、@は連携研究者) (T1) 資産バブル・マネー・政府債務を明確に区別した理論モデルの構築・分析(上東、西村、北野、敦賀、堀井、小林、*浜田、*清滝) (T2) 信用バブル・国債バブルの経済学的定義の確立(上東、敦賀、小林、*清滝) (E1) 金利可変の仮定下での資産バブルの実証モデルの構築(上東、*渡辺) (E2) テキストマイニングによるバブル崩壊・金融危機の兆候の抽出(高橋、柴本) (S1) スパコン・シミュレーション技術を用いた主要先進・新興国の資産バブルの推定(上東、貝原、堀井、小林、@小柳、@佐野、*Stachurski、*渡辺) (N1) 多層的金融ネットワーク・モデルの構築・分析、シミュレーション(上東、貝原、小林、@齋藤、@佐野)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論分析に関しては、モデルの設定や均衡の分析等が進んでいるため、おおむね順調に進展していると考えられる。実証分析に関しては、MCMCの手法の開発や、テキストデータを用いた分析において一定以上の成果が得られているため、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の理論分析においては、浜田・堀井・上東・櫻川モデル、清滝・Moorモデル等を基本的枠組みとし、そこに資産バブル・マネー・政府債務を明確に区別できる形で導入し、さらに、信用バブル・国債バブルを数学的に定義し、新たな変数として導入したモデル等の分析を進める。実証分析においては、上東・渡辺モデルの拡張版MCMCを用いた手法に基づき、モデルとデータから推定されるリスク指標と主要マクロ変数との構造的関係に関する実証分析を進める。さらに、テキストマイニングに基づく分析、および多層的金融ネットワーク・モデルのシミュレーション分析を進め、危機・破綻発生後の危機管理の手法の確立を目指す。他に、研究会や一般向けシンポジウム等を開催する。
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