研究課題
本研究の目的は、時空の加速膨張「インフレーション」が種火となって生み出されたビッグバン時に生じたとされる原始重力波の存在の実験的証拠を得ることによって、そのインフレーションの存在す証明することである。この目的のために、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の特徴的な偏光成分(Bモード)の観測を行うことにある。この目的のために、本研究では、GroundBIRD望遠鏡システム、及び、超伝導マイクロ波力学インダクタンス検出器(MKID)を開発し、その観測を実施することを目指している。平成28年度においては、GroundBIRD望遠鏡開発に加えて、MKID素子の開発を進めていた。ところが、素子作製に使用していた国立天文台の露光装置の記憶装置が故障し、装置そのものはすぐに復旧したものの、作製用パラメータの復旧に時間を要し、デバイス作製作業がストップし、それに伴って素子作製に関する研究の実施を繰越していた。その後、平成28年度末から平成29年度初頭について、本研究も主体的にデータ復旧に貢献することによって作製用パラメータの早期復旧を実現し、作製作業を再開した。この繰越分について、H29年度にMKID検出器の開発を再開し、素子作製作業を行うとともに、作製した検出器の性能評価を行った。その結果、GroundBIRD望遠鏡搭載時の感度としてNEP=2×10^{-16} W/√Hzを達成し、GrounndBIRD望遠鏡に搭載する検出器について、目標とする性能達成の目処を得ることができた。
2: おおむね順調に進展している
国立天文台の露光装置の故障によって素子作製に遅れを生じたものの、その後の復旧を受けてデバイス作製を再開するとともに性能評価を実施し、良好な感度が実現されていることを確認できた。このことから、概ね順調に進展していると考えている。
デバイス作製、及び、システム開発を引き続き進めて、平成30年度の望遠鏡稼働を目指す。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (26件) (うち国際学会 11件、 招待講演 10件) 備考 (1件)
IEICE Transactions on Electronics
巻: E100.C ページ: 298~304
10.1587/transele.E100.C.298
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