研究課題
本研究では,独自のマルチビーム干渉光学系と新たな偏光変調制御法の開発によって,サブマイクロメートルピッチ高安定光ナノグリッド基準を従来より一桁高い精度と効率で製作できる2軸光干渉リソグラフィ加工システムを提案する.次に,ナノグリッド基準の平面度と2軸ピッチ誤差を評価用レーザ干渉形状測定機の誤差から分離して短時間で超高精度に評価する誤差分離型一括自律校正法を合わせて提案することによって,光ナノグリッド基準を大面積に渡って高精度に保証する.そして,光ナノグリッド基準を活用して,多軸光計測法を創出することによって,超精密光計測学のフロンティアを拓くことを研究の目的としている.4年目となる30年度は,前年度までに安定生成を実現した大面積XYナノグリッド基準の,光絶対スケールコム光学系への適用を試みた.非直交型ロイドミラー干渉計光学系の最適化を試み,均一な2軸パターンを有する高精度・大面積XYナノグリッド基準の露光パターニングに成功するとともに,その表面に反射膜を形成して高い反射回折効率を有する反射型大面積XYナノグリッド基準の製造を実現した.また,XYナノグリッド基準面から反射されたフェムト秒レーザビームの0次と±1次光を利用することによって,光周波数コムを多自由度変位角度絶対スケールコムに変換する光絶対スケールコム光学系において,適切なファブリペローエタロンの選択による光スポット群の間引き間隔調整手法を確立した.さらに,新たに追加して検討を進めている光周波数コム共焦点プローブについても,小型化した光学系プロトタイプを構築するとともに,基礎特性評価実験を行い,環境ロバスト性の向上を実現した.
2: おおむね順調に進展している
研究実施計画の項目に沿って研究を実施し,予定の項目をすべて完成し,設定した目標を達成したからである.
実施計画のとおりに実施する予定である.最終年度となる31年度は,当初計画のとおり,前年度までに開発した光絶対スケールコムの分解能,内挿誤差などの基本特性評価を行う.また,計測速度,設置誤差許容範囲,軸間直角度誤差などの性能も評価する.また,平面ステージの移動台に,100 mm四方のXYグリッド基準を配置して,光絶対スケールコムによる大面積計測実験を行う.ステージの多自由度変位角度を一括して計測し,外部干渉測長機との比較で結果を検討する.また,精密光計測フロンティアのさらなる開拓,および多軸絶対光スケールコムの普及と産業応用展開を見据えて進めているファイバベース光周波数コム光源の開発についても検討を継続するとともに,新たに追加して検討を進めている光周波数コム共焦点プローブも開発を継続し,3次元プロファイルの高精度迅速計測実現の可能性を模索する.
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 3件、 査読あり 11件) 学会発表 (24件) (うち国際学会 12件、 招待講演 3件) 図書 (1件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件)
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