本研究は痛風の原因物質となる尿酸ナトリウム結晶の磁場中観察システムの構築および結晶化の過程における磁場効果の検討を目的とした。実験システムの構築として電磁石内のサンプルを入れた容器に一定の温度の水を循環させ,光強度を測定できるシステムを開発した。構築したシステムを用いて、実際に磁場下で結晶を生成させ、電磁石による磁場中・外で結晶化する過程の透過光強度を測定した。その結果、磁場外で生成した結晶と比べ磁場中で生成した結晶は透過光強度の変化率が小さかった。特に、磁場外の結晶においては、測定開始2時間後辺りから急激に増加が見られたことから、磁場が結晶の析出速度に影響を与えることが示唆された。
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