現代においてハワイの伝統舞踊フラは、ローカリズムとグローバリズムが絡み合う形で発展を遂げている。本課題は、フラの競技大会メリーモナーク・フェスティバルを考察の対象とし、フィールドワークと文献調査をつうじて、現代におけるフラがいかなる集団のいかなる記憶と衝動に支えられているのかを分析した。その結果、現代のハワイアンにとってのフラが、アメリカによるハワイ支配の歴史を拒みハワイアンのの自立性を主張する手段であるとともに、重要な観光資源であることがあらためて明らかになった。さらに、フラの商業観光化を促進させているのは、「フラの真正性」を追求する日本人フラ愛好者の存在であることが明らかになった。
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