研究課題
平成 28 年度は、1) FABP3 合成リガンド投与によるMPTP 投与マウスの黒質ドパミン神経細胞保護作用を tyrosine hydroxyrase (TH) 抗体を用い免疫組織化学染色法により検討すること、2) α-シヌクレイン多量体形成阻害作用について免疫ブロット法及び免疫組織化学染色法により評価し、FABP3 リガンドのドパミン神経保護作用機序について明らかにすることを目的とした。MPTP 投与マウスの黒質領域では TH 陽性ドパミン神経細胞が低下していた。 FABP3 リガンド1およびリガンド3投与により、MPTP によるドパミン神経細胞死が有意に抑制された。一方、非親和性リガンド4はドパミン神経保護作用を示さなかった。さらに、MPTP 投与マウスではドパミン神経の細胞体にα-シヌクレインが蓄積するが、これは FABP3 リガンド1およびリガンド3投与により有意に改善され、リガンド4では改善されなかった。免疫ブロット法を用い、黒質領域のα-シヌクレイン多量体を測定した。MPTP 投与マウスの黒質領域ではα-シヌクレイン多量体が増加していた。FABP3 リガンド1投与により、増加したα-シヌクレイン多量体が有意に抑制された。以上の結果をまとめ、FABP3 リガンドをシヌクレイノパチー治療薬(PCT/JP2017/13742)として特許を出願した。平成 28 年度は、第一著者論文を 2 報、第二著者論文を 3 報、第三著者論文を 1 報、その他 1 報を英科学誌に報告した。また、5 つの国内学会および 1 つの国際学会で研究成果を報告した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件) 産業財産権 (1件)
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