研究実績の概要 |
1. 緑内障モデル動物の作製と網膜神経節細胞障害の評価 正常眼圧緑内障モデル動物の作製として、視神経軸索挫滅後の網膜神経節細胞(RGC)障害の評価を行った。RNA発現変化は網膜神経節細胞に特異的に存在するThy1, Nefh, Brn3a, Brn3b, Brn3cに加え、近年報告された新たな特異的マーカーであるRbpmsの遺伝子発現量をqRT-PCRで調べた。無治療、軸索障害後2,4,7日後の網膜を回収し、RNA抽出、cDNA合成の後にリアルタイムPCRを行った。その結果、Thy1, Nefh, Brn3a, Brn3b, Brn3cおよびRbpmsの発現は軸索障害後に経時的に減少していた。生存RGC密度を定量化するために、脳からの逆行性染色法により網膜神経節細胞をラベルし、染色されたRGC密度を網膜伸展標本で蛍光顕微鏡下に計測した。軸索障害後7日後の網膜では無処置のマウス網膜に比べて網膜神経節細胞数が有意に減少した。RBPMSのタンパク質発現をウェスタンブロッティングおよび免疫染色法にて確認したところ、軸索障害後7日後では、軸索障害後に著明な発現の減少を認めた。これらの結果から、視神経挫滅により経時的なRGCの減少が示唆され、緑内障モデル動物の作製とRGC障害の変化を確認できた。 2. 網膜神経節細胞障害時におけるGPNMBの発現解析 上記の緑内障モデル動物を用いて、網膜神経節細胞障害後の網膜内におけるGPNMBの発現を調べた。ウェスタンブロッティング法および免疫組織化学によりGPNMBの網膜内タンパク質発現および局在を検討した。しかしながらウェスタンブロッティング法、免疫染色によるGPNMBの発現を検出することができなかった。
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